外部パートナー活用から考える採用チーム強化と内製化の現実解
こんにちは!
採用立ち上げからグロースの人事パートナーCymbi(シンビ)の菅谷(妹)です。
今回は、事業成長のための採用強化を、RPO(採用代行)、フリーランス人事、採用コンサルなどの外部リソースをどう活用するか?という視点でお話ししていきます。
「採用が難しくなっている」「人材が足りない」
こうした言葉を耳にする機会は、ここ数年で確実に増えています。
採用における課題はさまざまです。
・採用基準を満たす人材そのものが少ない
・採用サービスが多すぎて何をすべきかわからない
・本当に候補者に能力や経験があるのか判断が難しい
・なんとか面接に繋がっても辞退が増えている
・内定を出しても承諾に至らない
・そもそも採用活動を回す潤沢なリソース/予算がない
など
そうした状況の中で、RPO(採用代行)やフリーランス人事といった外部パートナーの活用を検討する企業も多いのではないでしょうか。
※本記事では、RPO・フリーランス人事・採用コンサル等を総称して「外部パートナー」と呼びます。
一方で、
・外注したものの、なかなか成果に繋がらなかった
・依頼している時は良いがノウハウが社内に残らなかった
・任せきりになり、採用の中身が見えなくなった
・内製化したいが、どこから手を付ければいいかわからない
といったお悩みも耳にします。
本記事では、外部パートナーを「一時的な外注」で終わらせず、採用チーム強化や内製化につなげていくための考え方と進め方を企業フェーズ別に整理します。
「今の採用の進め方で良いのか、少し立ち止まって考えたい」
「外部の力を使いたいが、どう設計すればいいか分からない」
そんな方にとって、次の一手を考えるヒントになれば幸いです!
目次
採用外部パートナーは「外注する」だけのものではない
RPO(採用代行)とは?
RPOとは Recruitment Process Outsourcing の略で、日本語では一般的に「採用代行」と呼ばれています。
一言でいうと、企業の採用業務の一部、または全体を外部に委託する仕組みです。
外部パートナーの主要タイプと向き不向き
外部パートナーにはさまざまなタイプがありますが、
「どれが優れているか」ではなく、「今のフェーズ・目的に合っているか」が最も重要です。
同じRPOや採用コンサルでも、
・実行を安定させることに強いタイプ
・特定領域に深い知見を持つタイプ
・上流から伴走し、仕組み化まで担うタイプ
など、役割は大きく異なります。
主な外部パートナーのタイプを「何をしてくれるか」「強み」「向いているケース」「注意点」という観点で整理しています。
すべてを満たす万能なパートナーは存在しません。
大切なのは、「今、自社が困っているのはどこか」を明確にした上で、その課題に最もフィットする役割を選ぶことです。
まずはそれぞれの特徴と向き・不向きを把握し、自社の状況と照らし合わせて考えてみてください。






以下のマトリックスは、
「関与範囲(上流〜実務)」と「支援期間(短期〜中長期)」の2軸で外部パートナーの位置づけを整理したものです。
右に行くほど上流設計への関与が深く、上に行くほど中長期での伴走・体制構築に向いています。

外部パートナー活用でうまくいかないケースの多くは、「求めている役割」と「依頼先の特性」がズレていることが原因です。
例えば、
・戦略が固まっていないのに実行特化型に依頼する
・スピード重視なのに、設計中心のコンサル型を選ぶ
・内製化したいのに、ノウハウ移転を前提としない体制を組む
こうしたズレがあると、「お金をかけたのに成果が出ない」という結果になりがちです。
Cymbi(シンビ)は、これらのタイプの中でも「採用の立ち上げ〜安定運用〜内製化」を一貫して支援する網羅型のパートナーです。
どのタイプが合うか迷っている段階からでも、現状整理や壁打ちを通じて、一緒に最適な形を考えることが可能です。
外部パートナーと協業するためのマインドセット
外部パートナーを活用する際に成果を左右するのは、どのフェーズで・どんな目的で・どんな関わり方をしてもらうのかを、最初にどれだけ丁寧に設計できるかです。
その前提として、以下の考え方を押さえておくことが重要です。
① 依頼先の特性に合わせた関わり方を設計する
まず大切なのは、「誰に・何を・どこまで任せるのか」を明確にすること。
外部パートナーといっても、前述の通り「がっつり一緒に組んでくれる伴走型」「作業代行が中心のリソース提供型」など、スタンスや得意領域はさまざまです。
そのため、
・今はどのフェーズなのか
・何を解決したくて依頼するのか
・成果の定義は何か
を整理し、自社内と委託先の双方でゴール・ミッションの合意形成を行いましょう。
② がっつり伴走する場合は「仲間としての前提」を持つ
上流設計から一緒に組むタイプの外部パートナーの場合、成果を出すために欠かせないのは情報の透明性です。
・経営方針/事業方針
・今後の成長イメージ
・事業・組織の課題
・採用で本当は困っていること
・どうなりたいか、どこに向かいたいか
これらを、可能な範囲でできるだけオープンに共有する。
「全部整ってから伝える」のではなく、未整理な状態も含めて共有することで、初めて本質的な提案や設計ができるようになります。
この関係性では、発注者と受注者というより“同じチームの一員”という意識が重要です。背中を預け合える関係性が、結果的にスピードと精度を高めます。
③ 作業代行が中心の場合は、オーナーシップを社内に残す
一方で、スカウト送信や日程調整など、実務を中心に任せるケースでは、オーナーシップは必ず社内に持つことが重要です。
・何をどこまで任せるのか
・判断/意思決定は誰が行うのか
・期待するアウトプットと期限
・どこでレビュー/改善するのか
役割と責任を明確に線引きし、「確認待ち」「判断待ち」で止まらない設計をしておきましょう。
曖昧な状態で進めると、
・スピードが落ちる
・認識ズレが生まれる
・結局社内負担が増える
といったことが起こりやすくなります。
④ プロの意見を踏まえてPDCAを回す
外部に依頼しても、自社のこだわりが強すぎて提案が実行されないケースは少なくありません。
もちろん、すべてを鵜呑みにする必要はありませんが、
・転職市場のスタンダード
・他社と比較したときに最低限やるべきこと
・過去の成功/失敗事例に基づく示唆
については、まずは一度「やってみる」ことも大切です。
特に採用は、感覚や好みよりも市場の現実に合わせる必要がある領域。
試さずに否定してしまうと、改善の糸口が見えなくなることもあります。
⑤ 「情報の鮮度」を保つ
採用は、常に状況が変わります。
・事業の優先順位
・求める人物像
・現場の課題
・候補者の反応
これらが変わったまま共有されないと、外部パートナーは古い前提で動き続けてしまいます。
小さな変化でも、早めに・簡潔に・頻度高く共有することが、結果的にズレを防ぎます。
⑥ 「成果」だけでなく「再現性」も成果と捉える
短期的な採用人数だけを見ると、「たまたまうまくいった/いかなかった」で終わってしまいがちです。
それよりも、
・なぜうまくいったのか
・次も同じことができる状態になっているか
・社内に知見や仕組みが残っているか
といった再現性も成果として捉えることが重要です。
この視点を持つことで、外部活用は「一時的な応急処置」ではなく、採用力を底上げする投資になります。
【パターン別】具体プロセス
以下は、現場で比較的多い3パターンを前提に、 「どんな順序で、何を決め、何を整え、どのタイミングで内製に寄せるか」をステップ化します。
スタートアップ 立ち上げから内製化ケース
フェーズ1|外部パートナー導入(立ち上げ)と採用体制構築
立ち上げフェーズでは、代表または採用領域を管掌している責任者が外部パートナーを立ち上げメンバーと捉えてコミュニケーションを取ることが大切です。実務は基本的に委託先に任せる形が進めやすいです。
この時、外部パートナー側が最初に整えるのは「採用の運用基盤」です。
・職種要件の叩き台(Must/Want/NG/業務内容 など)
・訴求軸の整理(候補者に何を伝えるか)
・チャネル設計(無料媒体/ダイレクトリクルーティング/エージェント など)
・候補者管理方法(スプレッドシート or 簡易ATS)
・日程調整ルール(ツール活用、面接枠の確保)
・選考フローと評価基準(最低限)
ここでのゴールは、「全てのステップを滞りなく回せる状態」をつくること。加えて重要なのが、この時点からマニュアル化・ナレッジ化を前提に進めてもらうことです。
将来社内に引き継げる形で設計してもらう意識が、後の内製化スピードを大きく左右します。
フェーズ2|社内を巻き込みながら安定運用へ
採用が動き始めると、実際に社内連携や情報共有が始まります。最初にルールや運用を社内周知したとしても、関係者が全て把握できていることはほぼ無いと思ってください。
面接官がプロセスに慣れ、採用活動についての理解が深まるまでは丁寧にフォローアップしながら落とし込む必要があります。
例えば、以下のようなことを採用に関わる方には理解を深めていただく必要があります。採用活動の中で目に見えるものではないですが、採用担当者の負荷としては大きいものです。これらの業務も対応してくれる外部パートナーを選定するのが良いでしょう。
・書類選考や面接後の評価基準と記入方法
・カジュアル面談/面接の違いや面接官としての注意事項
・オファーフェーズにおける候補者とのコミュニケーション
・応募経路の特性理解(スカウト有無、雇用形態、成功報酬の有無など)
・意思決定スピードや全体のタイムラインの理解
フェーズ3|社内人事の採用(内製化の入口)
採用が一定回り始め、さらに事業成長・組織成長が必要となる場合は、専任の人事担当者を置くことになります。
スタートアップの1人目人事は、採用のスペシャリストではなく、人事領域のゼネラリストを採用または育成することをおすすめしています。(事業成長が圧倒的で採用専任担当者が複数名必要な規模の場合は別です。)
多くの場合、採用・社内制度・労務・経理面も含め1人目人事が窓口や問い合わせ対応を担うことになります。それに加えて採用ブランディングやエンゲージメントなど多くのプロジェクトを同時並行で進行することも求められます。
そのため、人事責任者レイヤーで全て経験済みの人材か、ジュニアレイヤーでもプロジェクトマネジメント力の高い人材(立ち上げメンバーの社内異動の選択も⚪︎)を狙うのが良いでしょう。
自社にとってどんなターゲットが最適かは、外部パートナーと壁打ちしながら決定し、採用できた場合にはどんな関わり方が良いか、もこのフェーズである程度描いておくとスムーズです。
フェーズ4|内製化(外部の関わり方を変える)
人事担当者の採用が出来たら、外部パートナーによる業務連携・必要に応じて引き継ぎを行います。
内製化は「ゼロにする」ではなく、 外部の関与を役割や濃淡で調整するイメージが現実的です。
・戦略設計など上流は社内で実施、実務実行〜オペレーションは外部
・採用難易度の高い特定職種だけ外部
・ジュニアメンバーの育成・伴走・内製化を外部
など、事業フェーズや採用難易度に応じて、柔軟に関わり方を変えられる状態をつくることが、結果的に強い採用体制につながります。
中規模企業① 特定職種・事業部に詰まりがあるケース
中規模企業の場合、「採用全体がうまくいっていない」というよりも、
・ある特定職種だけ採用できない
・特定の事業部・プロジェクトだけ人が足りない
・過去のやり方が通用しなくなってきている
といった部分的なボトルネックを抱えているケースが多くあります。
この場合、外部パートナーの役割は「代行」ではなく「変革とナレッジ蓄積」になります。
フェーズ1|対象領域の切り出しと現状整理
最初にやるべきは、 「どこに・なぜ・どんな課題があるのか」を特定することです。中規模企業では、以下が曖昧なまま進んでいることが少なくありません。
・なぜこの職種(事業部)だけ採用が難しいのか
・採用難易度が高いのか、やり方が合っていないのか
・どこまでを外部に任せ、どこを社内に残したいのか
このフェーズでは、外部パートナーと一緒に
・対象職種・事業部の整理
・過去の採用実績・失注理由・辞退理由の洗い出し
・現在の採用フロー・役割分担の可視化
・社内でボトルネックになっているポイントの特定
などを行い、どこが最重要課題で、これから何を改善していくのか?明確な共通認識を持つことが大切です。
フェーズ2|特定領域に特化した採用設計・実行
次に、対象職種・事業部に絞って、採用設計を刷新します。このフェーズで外部パートナーが担う役割は、実行しながら、勝ち筋を見つけて言語化することです。
具体的には、
・職種要件・役割定義の再設計(期待役割・成果・求めるレベル感の再整理)
・訴求軸の再構築(他社と比較した時の選ばれる理由)
・チャネル/手法の最適化(スカウト/エージェント/紹介などの使い分け)
・選考プロセス・評価観点の見直し(現場・人事・経営の目線のズレを調整)
・候補者対応・クロージング設計の改善
など
仮説と検証を繰り返すフェーズになるため、外部の知見を使って「うまくいく型」を作り、成果が出やすい施策を見出していきます。
1~2ヶ月で劇的な成果を求めすぎないこともポイントです。長い間成果が出なかったものを改善していくので勝ち筋を見つけることはそう容易ではありません。1つ1つの施策のPDCAの精度を高めることにフォーカスしましょう。
フェーズ3|社内への浸透・ナレッジ移転
フェーズ2と並行しながらになることも多いですが、次に重要なのが社内への浸透です。
中規模企業では、
・事業部ごとに採用観が違う
・面接官ごとの判断基準がバラバラ
・人事がただの御用聞きになってしまってイニシアチブを握れていない
といった状態が起きやすいため、外部パートナーが間に入りながら、
・面接官向けの評価基準/判断ポイントの整理
・採用成功・失敗事例の言語化
・採用データの見える化
・「なぜこのやり方なのか」の背景共有
などを行い、属人的だった採用をチームの知見に変えながら、みんなで改善し続ける必要があるという意識を浸透していく必要があります。
フェーズ4|内製化(関与度を調整しながら自走へ)
一定の型と成果が出てきたら、外部パートナーの関わり方を段階的に変えていきます。中規模企業の場合、以下の形が現実的です。
・採用戦略・設計は社内、人事・事業部で実行
・難易度の高い職種・フェーズのみ外部継続
・定例レビュー・壁打ちのみ外部に依頼
・新規ポジション立ち上げ時だけ再度外部パートナー活用
勝ち筋が見えた際に、内製化するのと継続して外部に任せるのはどちらがコストパフォーマンスが良いのか?を踏まえて判断することが重要です。
内製化することがゴールではなく、会社としての目標が達成できることが目的ということを念頭に置いて費用と人材リソース配分を検討しましょう。
中規模企業② 採用体制そのものが限界に来ているケース
このパターンは、単に母集団を増やすだけでは解決しないことが多いです。
「採用の仕組み自体」が古くなっていたり、部署ごとにバラバラだったり。
フェーズ1|現状の可視化
ここをサボると、施策を増やしても改善しにくいです。
・過去6〜12ヶ月の採用データ棚卸し(ざっくりでもOK)
・採用プロセスの可視化(歩留と課題の確認)
・部署別の要件/判断軸の違い
・面接官体制/評価のばらつき
・オファー承諾率の要因(競合、条件、魅力付け)
フェーズ2|理想の体制と役割分担
採用が強い会社ほど、役割の線引きが明確です。
・採用責任者(意思決定)
・採用推進(進捗、調整、改善)
・オペレーション(実務)
・現場・面接官(要件合意、面接、口説き)
外部パートナーはここで「推進・運用・実行」を補完します。
フェーズ3|施策設計と運用開始
・職種別の勝ち筋(媒体×訴求×スカウト×選考 等)を設計
・KPIは仮置きで開始し、回しながら調整
・週次でボトルネックを見て改善(運用会議の型化)
フェーズ4|社内浸透→内製化
・ナレッジを資料化(求人の型、スカウトの型、評価の型)
・社内メンバーが運用会議を回せる状態へ
・外部パートナーは頻度を落とし、レビュー中心へ移行
体制の抜本見直し・浸透がメインであれば、比較的スムーズに内製化を進めやすいです。なぜこうしたのか?という「Why」を社内人事が1つ1つ理解をしていれば、その後状況が変わっても改善していけるはずです。
内製化の定義:全部自社でやる、だけが正解ではない
内製化 =「全部を自社でやること」と捉えられがちですが、採用においては必ずしもそれが最適解とは限りません。
採用は、事業フェーズや組織状況によって、必要なリソースやスキルが大きく変わる領域です。
そのため、
・意思決定や改善は社内で行う
・実行や専門領域は外部を使う
・採用が集中する時期だけ外部を厚くする
といった組み合わせを必要に応じて柔軟に構築しながら、ノウハウやナレッジを蓄積できる会社は強いです。
内製化のゴールは、「外部パートナーゼロ」ではなく、自社でコントロールできる状態をつくること。その上で、どこを内製し、どこを外部に任せるかを選べること自体が、採用力の一部だと考えています。
まとめ:明日からのアクション
RPOやフリーランス人事、採用コンサルは、使い方次第で「採用を強くする」方に活用できることが多いです。
採用は正解が一つではないからこそ、自社のフェーズに合った進め方を、現実的な形で設計していきましょう。
もし今、
・採用が止まっている
・外注すべきか、内製すべきか迷っている
・何から整理すればいいか分からない
という状態であれば、「何が詰まっているのか」「どこから手を付けるべきか」を一緒に整理するご相談もお受けしています。
無理に外部パートナーを勧めることはありませんので、自社にとって「今最適な体制」「どこにコストを投下すべきか」壁打ち感覚で、お気軽に本ページ下部の無料相談よりご相談ください。